東京ウェブ株式会社
2025.06.15

東京ウェブでは、主にSEO運用とWebサイト制作を請け負っています。私たちは、ただお客様の代理として動くだけでなく、その事業に深く関わり、主体的なパートナーとして業務に取り組んでいます。

今後のSEOやWebサイトのあり方を考えると、SEOの専門知識だけでは不十分です。質の高いWebサイトを作るためには、お客様のサービスを深く理解し、楽しみながら、まるでその企業の一員であるかのように業務に励むことが重要だと考えています。

そのためには、SEOの技術的な側面(コーディング、検索クエリ分析、コンバージョン率最適化など)だけでなく、Webサイトで伝えたいメッセージを明確にし、3C分析(顧客・競合・自社)を徹底することも不可欠です。

  • お客様のサービスの本当の強みは何か?
  • 競合と同じ潜在顧客をターゲットにして良いのか?
  • 良い評判を作るために、Webでどのような顧客コミュニケーションを取るべきか?
  • ユースケースはどのように設計すべきか?
  • どのような状況で、潜在顧客にサービスを思い出してもらいたいのか?

といった点を、常に徹底的に追求する必要があります。当然ながら、これには多くの時間と労力がかかります。その結果、ここ数ヶ月、当社では慢性的な人手不足に陥っていました。

人員の拡張

そこで当社では、まず、これまでライティングのみを依頼していたパートナー企業に協力を仰ぎ、定期的な業務として当社の仕様ルールに沿った簡易コーディング支援を依頼するようになりました。そこで当社では、数名の非正規社員を雇用し、現在の業務への対応、中期的な業務への取り組み、そして将来の東京ウェブを支える若手の育成など、多角的な視点から雇用と育成に力を入れ始めました。

さらなる品質と効果の最大化のために

そしてさらに、ここ数週間で最新技術を取り入れた業務の取り組みを始めています。具体的にはAIや各種APIを活かしたプログラミングとSEO分析、プランニング、レポーティングです。
 

AI × コーディング

東京ウェブでは、AI技術を積極的に取り入れ、開発の効率化と品質向上を追求しています。具体的には、OpenAIが提供するAIモデル「Codex」や、自然言語でUIコンポーネントを生成できる「Vercel V0」などの先端ツールを活用しています。

  • 「Codex」は、プログラミングに特化した大規模言語モデルで、自然言語の指示を理解し、さまざまな言語でコードを自動生成することが可能です。コードの補完、リファクタリング、簡易的なバグ修正などにも対応できます。
  • 「Vercel V0」は、自然言語による要件入力からReact+Tailwind CSSベースのUIコードを自動生成するツールで、プロトタイピングやUI構築の効率を大幅に向上させます。

また、エンジニア育成の取り組みとして、AIツールを活用した実践的なコーディングトレーニングを行い、AIリテラシーとコーディングスキルの双方を高める支援も行っています。
 

JamStack × サイト制作

JamStackとは、「JavaScript」「API」「Markup」の頭文字を取った、モダンなWeb開発アーキテクチャです。静的サイト生成とAPI連携を組み合わせることで、高速かつセキュアなWebサイト構築を実現します。この構成により、UX(ユーザー体験)やSEOの観点からも優れたパフォーマンスを発揮します。
 

AI × SEO

東京ウェブでは、Googleが提供する最先端のAIモデル「Gemini 2.5 Pro」の機能を活用することで、従来のSEO分析における非効率性や属人性を解消し、より精度の高いデータに基づいた戦略立案に取り組んでいます。

  • Geminiの「Gem」機能を使った2つの取り組み
    1. 各企業の課題やKPIを踏まえたSEOデータ分析:Gemとは、特定のタスクや分野に特化するようカスタマイズされたAIモデルです。このGemに各企業のSEO課題、過去の施策内容、達成すべきKPIといった独自の情報を学習させることで、企業ごとの実情に合わせたSEOデータ分析を可能にします。Google Search ConsoleのAPIから取得した全クエリのデータや月次のアクセスレポートをGemに解析させることで、人力での分析と比べて大幅な効率化が実現できます。数万にも及ぶクエリデータを網羅的に解析するため、人力では見落としがちな潜在的なSEO課題も発見できます。また、個人の思い込みや経験則に依存しないフラットな視点でのデータ分析が可能となり、SEO戦略立案における品質向上や品質の安定化に繋がります。
    2. テクニカルな改善項目を網羅したSEO課題抽出:30項目にわたるテクニカルSEOのノウハウを網羅したドキュメントや、具体的なコーディングルールをまとめたドキュメントをGemに読み込ませ、Webページ単位でのSEO改善点を自動でチェックできる仕組みを構築しました。これにより、テクニカルなSEOチェック作業はAIに一任できるようになり、人的リソースを大幅に削減できます。その結果、サイトのユーザビリティ向上やコンバージョン率改善などにリソースを集中させることできます。
  • Geminiの「Deep Research」機能を使った取り組み
    Gemini 2.5 Proで利用できるDeep Researchは、Geminiが実際にGoogle検索を実行したり、各サイト内部の分析を行ったりすることで、広範な情報を収集・分析する機能です。この機能により、競合サイトのディレクトリ構造、meta設定、コンテンツ内容などを網羅的に分析することが可能になりました。検索上位100サイトといった人力では網羅しきれない量の分析を瞬時に実施でき、人的リソースの削減に繋がる他、個人の感情や忖度などが入らない客観的な視点での競合分析を実現できます。

新たな価値サービスの提供

これらの取り組みの結果、東京ウェブでは業務効率が大幅に向上しました。特に、サイトの運用・保守においては、AIと人間による二重のチェック体制でページを巡回し、サイト分析においても抜け漏れなく状況の良し悪しや課題点を洗い出し、お客様とのスムーズなコミュニケーション体制を築くことができました。

今後は、このようなAIやAPIを活用した最新技術を取り入れながら、従来のSEO運用やWebサイト制作の品質をさらに高め、営業活動とお客様へのサポートに一層注力してまいります。

引き続き、東京ウェブの今後の展開とサービスにご期待いただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。